金融機関との付き合い方

 Q   金融機関から融資を受ける際、心がけることは?

 A   日頃から、会社情報を積極的に伝え、金融機関と信頼関係を築きましょう。その上で、融資を受ける際は、次の4項目を自ら考え、書面でまとめ、自分の言葉で伝えましょう。

  1. 資金が必要となる理由及び金額(資金の必要性)
  2. 資金の支払先と支払時期(資金使途)
  3. いつまでに、どのように返すのか(償還財源)
  4. 何故返せるのか(返済できる理由)

解説

1.信頼関係を築いておくこと

銀行の仕事は、「お金を貸すこと」ではなく、「貸したお金を利息とともに返してもらうこと」です。したがって、銀行が貸したお金を返してもらえると判断すれば融資が受けられます。

返済が行われるのは、将来のことです。将来本当に資金が返ってくるのかの判断は、過去の実績、現状の会社の状況、社長の信用をもとに検討されます。

まずは、金融機関に自社のことをよく知ってもらい、日頃のお付き合いの中で、信頼関係を構築しておきましょう。

普段から金融機関に情報提供しておく内容としては次のような項目があります。

  1. 会社の歴史
  2. 事業の内容・・・扱っている商品やサービスの内容、商品ザービス別限界利益率等
  3. 業界情報
  4. 自社の強み弱み・・・人・モノ・金・情報
  5. 経営課題  課題に対する取り組み状況
  6. 社長の経歴、経営理念
  7. これまでの業績・・・決算書、試算表
  8. 販売先・仕入先に関する情報

次に、大切なことは、社長が、自社の資金繰りを理解しているかということです。
企業が借り入れを行うのは、資金が不足するからです。その資金が不足する理由によって、返済の原資や、返済の仕方も変わってきます。

社長自らが、資金の必要となった理由を理解していれば、返済の原資、返済の方法を説明することも可能です。自らの言葉で、上記4点を説明することにより、金融機関からの信頼は高まります。

金融機関は、得意先担当者や融資担当者が、社長との会話や、企業訪問を通じて集めた情報(非財務情報)と、企業の過去の成績表である決算書(財務情報)をもとに、貸したお金を返してもらえるか判断します。

融資の判断を最終的に決定する支店長や本部の機関は、書面で判断を行わなくてはならないため、上記4点に関係する資料に基づく説明を心がけましょう。

2.資金の必要性、資金使途

事業経営で資金が必要となる原因には、様々なものがありますが、主なものは次の3つです。

(1)運転資金

  1. 資金の必要性
    売上代金の入金までの収支ズレの補完
  2. 資金使途
    仕入代金の決済、固定費の支払
  3. 償還財源
    売上代金の入金

(2)設備資金

  1. 資金の必要性
    事業の存続・発展に必要な収益の確保
  2. 資金使途
    設備代金の支払い
  3. 償還財源
    設備投資後の「税引後利益」+「減価償却費」

(3)赤字補てん資金

  1. 資金の必要性
    収入より多い費用の支払の為
  2. 資金使途
    仕入代金の決済、固定費の支払(運転資金の一種)
  3. 償還財源
    将来の営業キャッシュフロー

3.いつまでにどのように返すのか

借入金の返済原資には、次のようなものがあります。資金使途により返済原資は変わります。③④の資金は、将来の資金の為、経営計画書などにより実現可能性を説明する必要がります。

  1. 手元資金
    過去の利益の内、内部留保された資金です。自由に使える資金です。
  2. 売上代金の回収による資金
    主に運転資金の借入の返済原資となります。
  3. 設備投資により増加した収益により回収した資金
    主に設備資金の借入の返済原資となります。
  4. 将来の利益の内部留保により獲得する資金
    主に赤字補てん資金の借入の返済原資になります。